子供の前歯がハの字に生えてきた!
ハの字に生えた前歯は今後どのようになるのでしょうか
6歳を過ぎてくると、大人の歯が生えてきます。すると、上の前歯が写真のようにハの字のように生えてくることがあります。理由と今後の展望を書いてみたいと思います。
ハの字状態の子供の前歯
永久歯の前歯は骨の中ではハの字状態で埋まっているのです。なので、この状態は病的なものではなく、生理的な現象なのです。
では、「ハ」の字状態で生えた歯はどのような経過でキレイに並ぶのでしょうか?
実は、後々生えてくる犬歯は顎の骨の中では逆「ハ」の字状態で埋まっているのです。なので、生える際に前歯を顔の中心に向かって押すようにして生えることで「ハの字」状態を解消するのです
理論的には後々生えてくる犬歯が前歯を押すことでハの字状態が解消するのですが、現実的にはうまくいかない事もあります。どんなことが要因になるのでしょうか?
要因1 過剰歯
過剰歯とは、通常の本数より余分にある歯のことを言います。特に珍しいわけではありません。「ハ」の字状態の真ん中に過剰歯があると、それが邪魔をして空隙が閉鎖しない事があります。この場合は抜歯をおススメしています。
要因2 上唇小帯
前歯の真ん中あたりから、唇につながる筋状の組織の事です。これは、誰にでもあるものなのですが、付着位置には個人差があります。前歯の隙間が自然に閉鎖しない場合は、この上唇小帯が歯と歯の間まで入り込んでいる場合があります。この場合は上唇小帯を少し切ってあげる必要があります。一般の歯科医院の外来でも十分に対応可能です。
このように、歯と歯の間に何か閉鎖を妨げる要因がある場合に、自然に「ハ」の字状態が治らない場合があります。自然に治る場合もありますが、顎の大きさ、歯の大きさなどの様々な要因を考慮すると、結果的に矯正治療が必要になることもあります。
もし気になるようでしたら、できるだけ定期的に経過観察をし、必要であれば早めに治療を開始してあげるといいと思います(*^_^*)